カルシウムとマグネシウムの比率
私たちは毎日の食事からさまざまな栄養を摂取していますが、中でも人間の生命活動の調節や維持に大きく関わっているのが「ミネラル」という栄養素です。そしてミネラルを構成する成分の中にはカルシウムとマグネシウムが含まれており、実はこの2つの成分には密接なつながりがあるのです。
○カルシウムと関連の深いマグネシウム
カルシウムの働きとしては、骨や歯を形成し維持する、筋肉の正常な動きをサポートする、出血した際に血液を止める(血液凝固)、ホルモンの分泌をコントロールする、神経の興奮を抑制して精神を安定させるなどの作用があります。
そしてマグネシウムには、強い骨をつくる、神経の興奮を制御する、酵素の働きをサポートしてエネルギーを生み出す、筋肉の収縮を調節する、血圧をコントロールするなどの働きがあります。この2つの成分を比べると、似たような作用があることが分かります。それでは、カルシウムとマグネシウムはお互いにどのように影響し合っているのか、その内容を以下にまとめてみました。
- 血液中のカルシウムの濃度を適切に調節してくれるのがマグネシウムです。それによって筋肉の正常な収縮につながり、筋肉のけいれんを予防してくれます。
- マグネシウムには、カルシウムがしっかりと骨や歯に行き渡るようにサポートする働きがあり、骨をつくったり骨の強度を維持したりしてくれます。
- カルシウムやナトリウムが増え過ぎると高血圧になり、動脈硬化を招いてしまう恐れがあります。そんなカルシウムやナトリウムの量をコントロールして血管にカルシウムが沈着するのを防いでくれるのが、マグネシウムなのです。
- さらにカルシウムとマグネシウムは精神を鎮めてイライラを抑えてくれるという効果もあります。
このように、カルシウムとマグネシウムにはお互いの働きを調節して補い合うような深いつながりがあったのです。
○重要なのは、カルシウムとマグネシウムのバランス
カルシウムとマグネシウムは体内でつくり出すことはできないので、食べ物から吸収しなければなりません。その際に気を付けたいのは、この2つの成分をどのような比率で摂取するかということ。
実はカルシウムを過剰に摂取するとマグネシウムの吸収を妨げるとされており、「カルシウム2:マグネシウム1」という比率でそれぞれの成分を摂ることが望ましいとされています。このバランスが崩れると、骨粗しょう症などにかかってしまうリスクが高まります。
カルシウムは乳製品や豆腐、厚揚げ、シシャモ、緑黄色野菜、海藻類といった食材にたくさん含まれており、マグネシウムはナッツ類やゴマ、バナナ、海藻類、納豆、豆腐などから摂ることができます。
まとめ
実際に2:1で摂るとなると難しいですが、この比率を頭の片隅にでもおいて置くのも良いでしょう。私たちの健康を守ってくれる重要な栄養素だからこそ、カルシウムとマグネシウムの量がしっかりと釣り合うように摂取するようにしましょう!
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