「さくらんぼ」と「アメリカンチェリー」栄養成分と効果に違いはあるの?
色や大きさが違うさくらんぼとアメリカンチェリー。普段何気なく手にすることが多いと思いますが、どのような違いがあるのか知っていますか? その特徴や栄養成分を比較して、違いを解説していきたいと思います。
さくらんぼとアメリカンチェリーを比較
旬や特徴を比較
一般的に、国内で生産されたものは「さくらんぼ」、アメリカで生産されたものは「アメリカンチェリー」と呼び名が変わります。
どちらも、バラ科サクラ属の実桜(みざくら)という果樹になる果実ですが、品種は異なります。
○さくらんぼ
さくらんぼの正式名は、「桜桃(おうとう)」です。
日本で生産量が最も多い品種は、糖分や果汁の多い「佐藤錦」ですが、他にも酸味と甘みのバランスが良い「高砂」や、大粒で甘みの強い「大将錦」なども有名です。
国内産さくらんぼの約90%が山形県で生産されています。さくらんぼの旬は6〜7月で、柔らかく果汁が多く、コクのある上品な甘さが特徴です。
○アメリカンチェリー
アメリカンチェリーの旬は5月~6月で、さくらんぼに比べて、身が大きく締まっていて、歯ごたえがあるのが特徴です。
さらに色が濃く、甘みも強く、さくらんぼより比較的安価で購入することができます。日本で見かけるアメリカンチェリーの90%は、「ビング」と呼ばれる品種です。
栄養効果や成分を比較
さくらんぼとアメリカンチェリーには、「カリウム」「食物繊維」「葉酸」そして「ビタミンC」など様々な栄養素がバランスよく含まれています。
また、「リンゴ酸」や「クエン酸」などの有機酸や、「ブドウ糖」や「果糖」が含まれ、これらの成分により、疲労回復や美肌効果、高血圧予防、腸内環境の改善が期待できます。
他にもブドウ糖から生成される「ソルビトール」という天然甘味料も含まれ、この成分が、腸のぜん動運動を活発にして、便秘解消を促します。また、甘味がありますが、虫歯の原因菌であるミュータンス菌が栄養として用いないため、虫歯予防にも貢献します。
◎国内産さくらんぼに多い成分
【βカロテン】
βカロテンには高い抗酸化作用があり、アンチエイジングや、動脈硬化などの生活習慣病予防に役立ちます。また、皮膚や粘膜の強化、免疫力の向上、視力の維持ためには欠かせない成分です。
◎アメリカンチェリーに多い成分
【ケルセチン、アントシアニンなどのポリフェノール類】
抗炎症作用や高い抗酸化作用がある「ケルセチン」は、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。
「アントシアニン」には、コラーゲンの合成を促進させて安定させる働きや、高い抗酸化作用による生活習慣病予防やアンチエイジングのほか、毛細血管の強化や、眼精疲労の回復に役立つ効果もあると言われています。
妊娠中でも食べられる?
さくらんぼやアメリカンチェリーには、「葉酸」が多く含まれています。
葉酸は、胎児の神経の発達や、先天性障害のリスクを減少させるために、とても有効な栄養素です。
また、造血作用もあり、妊娠中期〜後期にかけて貧血を起こしやすい妊婦にとって欠かせないビタミンでもあります。さらに、カリウムも豊富で、むくみ解消にも役立つので、妊婦の方にも積極的に摂取して欲しい果物と言えます。
さくらんぼやアメリカンチェリー、1日何個くらいまで?
食物繊維やソルビトールに便通を促す作用があるため、一度に食べ過ぎるとお腹が緩くなり下痢を誘発してしまいます。
ソルビトールは食品添加物として毒性が低いことから、摂取基準は定められていませんが、一度に20粒程度に留めておくとよいでしょう。小さなお子様や妊婦の方は、食べ過ぎには十分注意しましょう。
まとめ
さくらんぼとアメリカンチェリーを比較してみると、味などの特徴や栄養価は少し異なりますが、どちらも女性が不足しがちな栄養素を豊富に含んでいます。
栄養のバランスがとても良いので、旬の時期に美味しいさくらんぼやアメリカンチェリーを食べて、是非健康にお役立てください。
【記事監修】
栄養士・ローフードマイスター:吉田 佳央里
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