多価不飽和脂肪酸、亜鉛・マグネシウムのサプリは子供たちの注意力や睡眠改善に効果がある
魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸は脳機能を発達させる効果があります。魚は”ブレインフード”とも呼ばれ、わたしたち人間に必要な栄養素です。マグネシウムや亜鉛もまた、脳機能を発達させ、子供たちの注意力を向上する効果があることが研究を通して明らかになっています。ドイツで行われた研究で、これらの栄養素の組み合わせで、子供たちの不注意や睡眠障害を改善できるのかを調査しました。
多価不飽和脂肪酸・亜鉛・マグネシウムの摂取が子供たちに与える影響
ドイツのヨハネスグーテンベルク大学で行われたある研究では、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、亜鉛、マグネシウムのサプリメント摂取が、子供たちの注意欠陥、衝動性、多動、そして情緒や睡眠に関わる問題にどう影響するかを調査しました。実験には5歳から12歳までの、不注意、衝動性、多動、睡眠に問題がある792人の子供を対象に行われました。子供たちはEPA(エイコサペンタエン酸)400mg、DHA(ドコサヘキサエン酸)40mg、GLA(リノレン酸)60mg、亜鉛5mg、マグネシウム80mgが含まれるサプリメントを3か月間摂取しました。子供たちの症状の評価は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状測定する為の国際的な標準スケールであるSNAP-IVと感情、行動問題を評価するSDQが使用されました。
注意欠陥の症状に関して
実験前は、308人(38%)の子供たちがSNAP-IVにより注意欠陥の傾向があると評価され平均スコアが16以上でしたが3か月後は227人(73.7%)の子供の症状が改善され、スコアが平均5.36ポイント(33.6%)も下がり、注意欠陥の症状が著しく改善されたことが分かりました。
多動・衝動行動に関して
実験前は320人(39.5%)の子供たちがSNAP-IVにより多動・衝動行動の傾向があると評価されましたが、実験の終わりでは、202人(63.1%)の子供に改善が見られ、平均スコアは実験前の13以上から3.65(28.2%)も下がり、多動・衝動行動が著しく減ったことが分かりました。
感情・行動の問題に関して
他人と関わらない一人行動が多く見られた子供たちは実験前の345人(42.6%)から261人(32.2%)に減少しました。SDQの評価による感情の問題は、実験前と比べて平均0.25ポイント(28.1%)現象したことが分かりました。
睡眠の問題に関して
睡眠障害のある子供の人数
実験前 | 実験後 | |
寝つきの問題 | 305人 | 182人 |
睡眠の持続の問題 | 148人 | 87人 |
睡眠の質の問題 | 186人 | 107人 |
子供や親へのインタビューにより、睡眠に関する問題を調査しました。寝つきが悪い子供の人数は、実験前は305人(38.3%)でしたが、実験後には182人(22.9%)に減少しました。寝つきの悪い子は、男の子の36.3%、女の子の43.2%に見られましたが、実験後は男の子が23.1%、女の子が22.3%に減少したことが分かりました。この結果から、寝つきの問題は男の子より女の子に多く、サプリメントを摂取することで、寝つきが悪かった女の子の約半数が改善されたことが分かりました。また、睡眠の持続や質も、サプリメントを摂取することでかなり改善されたことが分かりました。
まとめ
多価不飽和脂肪酸(PUFA)、亜鉛、マグネシウムのサプリメント摂取により、子供たちの注意欠陥、多動、衝動性の症状が著しく改善され、感情と睡眠に関する問題も少なくなったことが分かりました。不注意行動が目立ったり、寝つきが悪いお子様を持つお母さんは、普段からこれらの栄養素が不足しないようにバランスの良い食事を作るように工夫しましょう。また、好き嫌いが多いお子様は、サプリメントを摂取するなどして栄養素を補うことが大切です。
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