枝豆の栄養と茹で方のポイント
日本の夏の風物詩、枝豆。栄養価が高いのに低カロリーなため、海外でも人気のヘルシーフードとして知られています。海外のスーパーモデルや女優さんをも虜にする「EDAMAME」とは、どんな野菜なのでしょうか。今回は、枝豆の栄養や効能、茹で方のポイントなどを紹介します。
枝豆と大豆って一緒なの!?
枝豆は、豆腐や納豆の原材料として知られる大豆を、未成熟の段階で枝から収穫した緑黄色野菜です。一方の大豆は成熟した後に収穫されます。よってこの二つは、収穫時期は異なりますが、同じマメ科の植物なのです。
成熟した大豆は栄養が凝縮されているため、タンパク質やイソフラボン、カロリーなどは枝豆よりも高くなります。大豆には劣りますが、枝豆にもイソフラボンもタンパク質も入っていますし、何よりも低カロリーなので、ダイエットにも効果的なスーパーフードと言えます。
江戸時代のファーストフード
日本では江戸時代に、農家さんが自家用として栽培をしていました。枝ごと茹でて、そのまま持ち歩いて食べると言った「ファーストフード」のような感覚で手軽に食されていたそうです。その後、枝付きで売られるようになったため、「枝豆」と言う名前になりました。
長い間、低カロリーで栄養豊富な日本の健康食品として食べられてきましたが、和食が人気となったアメリカやヨーロッパでも、塩茹でした枝豆がブームとなり、現在も多くの国で食べられています。
■枝豆は、豆と野菜の特徴を兼ね備えたスーパーフード?
枝豆は名前に豆が入っているため、「豆」なのか「野菜」なのか、どちらなのかと疑問を持つ方も多くいらっしゃるでしょう。枝豆は、大豆が未熟なうちに収穫したもので、マメ科の野菜です。
大豆と同じく、植物性タンパク質やイソフラボンも多く含み、緑黄色野菜特有のβカロテンも沢山含まれます。よって、枝豆は、豆と緑黄色野菜の両方を兼ね備えたスーパーフードと言えるでしょう。
大豆と比較をすると、枝豆は低カロリーで脂質が低く、ビタミンCも豊富です。大豆より含有量は劣っていても、栄養がバランス良く入っています。
枝豆は栄養がたっぷり入った優秀野菜
既に説明した通り、枝豆には栄養素がバランス良く含まれています。では、その栄養素はどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
■居酒屋さんのお通しに枝豆が選ばれる理由
居酒屋さんに行くと、塩茹でされた枝豆がよくお通しで出てきますよね。枝豆には、二日酔いや飲み過ぎを予防してくれる「メチオニン」が含まれているのです。「メチオニン」とは、人間の体内では作ることができない必須アミノ酸のひとつ。
枝豆に含まれている「ビタミンB1」と「ビタミンC」と共にアルコールの分解を促し、肝臓の老廃物や毒素を外へ排出してくれる効果があります。枝豆のお通しは理にかなったものだったのですね!
■妊婦さんに嬉しい葉酸が豊富で貧血予防にもオススメ
枝豆には、お腹の赤ちゃんの健康な発達を促す栄養素「葉酸」が豊富に含まれています。また、葉酸は赤血球を作るのになくてはならない栄養素です。妊娠すると、胎児に栄養や酸素を送り届けるために血液量が増えます。
そのため、妊婦さんは貧血になりやすくなってしまうのです。枝豆は茹でるだけで簡単に食べられる野菜ですので、妊娠中や貧血気味で体調の悪い時でも素早く食べられますよ。
■むくみを解消してくれるカリウムが豊富
「カリウム」が豊富に含まれているので、夕方になると手足が浮腫んでしまう方にオススメです。
カリウムは、体内に溜まった塩分を排出してくれる働きがあります。浮腫みに悩んでいる方や高血圧の方は、枝豆を食べて体内の老廃物を外へ排出しましょう。
■美肌の保つイソフラボンも
枝豆は大豆が未熟のうちに取られるもので、大豆と同様にイソフラボンが含まれています。女性ホルモンである「エストロゲン」と同様の働きが期待できるため、美肌の維持、大きな病気の予防、更年期障害の緩和につながります。
しかし、女性ホルモンと同じ働きをするので、取りすぎには注意が必要です。
枝豆の茹で方のポイントとは
6月~9月が旬とされる枝豆は、夏の時期が一番美味しく食べられます。美味しそうな枝豆を購入したら、正しい茹で方で調理をしましょう!
■枝豆の選び方
夏になると、スーパーや八百屋さんで枝豆を見かけますが、皆さんはどのように枝豆を選んでいますか? 最近では、調理の手間を防ぐために枝を取り除いたものが売られています。しかし、鮮度を保つためにも枝付きの物を選ぶのがオススメですよ。
その他の枝豆を選ぶポイントは下記の通りです。
- 色鮮やかな緑色をしたもの
- うぶ毛があるもの
- 適度にふっくらとしているもの
■枝豆の茹で方
美味しそうな枝豆を選んだら、茹で方も拘りたいですよね。枝豆を塩茹でする時、塩の分量や茹で時間などで悩んでしまうことはありませんか? 塩を入れすぎてしょっぱくなってしまったり、茹で時間が長すぎて柔らかくなったりした経験のある方は参考にしてみて下さいね。
【材料】
- 枝豆 ……250g
- 塩もみ用の塩 ……15g
- 塩茹で用の塩 ……25g
- 水……1L
【下処理】
- 流水で洗い流す
- 枝から切り離し、両端のサヤを塩が染み込みやすいようにハサミでカットする
- 水気を切った枝豆に塩もみ用の塩を入れ、よくもみこむ
【塩茹での仕方】
- 水を鍋に入れ沸騰させる
- 沸騰したら塩茹で用の塩を入れる
- 塩でもみこんだ枝前を入れ、中火で3〜5分茹でる
- ザルにあげて、お湯を切ったら完成
★ポイント
- 枝豆を茹でたら、途中でかたさをチェックする。程よいかたさであることがポイント。湯切りした際も余熱で柔らかくなります。
- ザルにあげた後は、水や冷水にさらす必要はありません。
- 味見をして、塩味が足らない場合は、ひとつまみ塩をかけて調整して下さい。
簡単に茹でられるので、是非チャレンジしてみて下さいね!
枝豆を美味しく食べるレシピ
枝豆は、塩茹でして食べるのが一番美味しいかもしれませんが、他にも美味しく食べられる調理法が沢山あるので紹介します。
① 枝豆の冷製スープ
【材料】
- 茹でた枝豆…… 100g
- 玉ねぎ…… 1/4個
- バター…… 5g
- 牛乳 ……150ml
- 水 ……120ml
- 生クリーム ……30ml
- コンソメ顆粒 ……小さじ1
- ブラックペッパー ……適量
【作り方】
- ① 小鍋に薄切りをした玉ねぎを炒める。玉ねぎがしんなりとしたら枝豆を入れて炒める。
- ② ❶に水、コンソメ顆粒を入れて中火で5分ほど煮る。
- ③ ハンドミキサーかミキサーにかけ、生クリームと牛乳を入れて、滑らかになるまで撹拌する。
- ④ 冷蔵庫で冷やしたら完成。食べる前にブラックペッパーをかける。
牛乳の代わりに豆乳でも美味しいですよ。コンソメゼリーなどと合わせるのもオススメ。
② えだまめ蒸しパン
【材料】(8個分)
- 茹でた枝豆…… 200g
- ホットケーキミックス…… 200g
- 卵…… 1個
- 牛乳 ……130ml
- オリーブオイル…… 大さじ2
【作り方】
- ① 飾り用に枝豆を少し残して、フードプロセッサーかミキサーにかける。
- ② ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。
- ③ カップなどに7分目ほど入れ、蒸し器で12〜13分ほど蒸したら完成。
牛乳の代わりに豆乳を入れてもいいですし、クリームチーズや蜂蜜を加えても美味しいですよ。小腹が減った時やおやつにいかがですか? 夕方の手足の浮腫み予防にオススメです。
③ 枝豆のフムス
【材料】
- 茹でた枝豆…… 250g
- ゴマペースト ……小さじ1と1/2
- オリーブオイル ……大さじ3
- レモン汁…… 大さじ1
- ニンニクチューブ……5cmくらい
- 塩コショウ ……少々
【作り方】
- ① フードプロセッサーかミキサーに材料を全て入れて混ぜる。
- ② 滑らかになったら完成。
パンやクラッカーと合わせて食べるのがオススメです。本来フムスは、ひよこ豆を使いますが、枝豆で作るとクセがなくさっぱりとしているにで子供でも食べやすいですよ。
まとめ
夏の暑い日に、お風呂上がりのビールと枝豆は格別ですよね! しかし、塩味が薄かったり、茹で時間が長すぎて柔らかくなったりした枝豆は美味しくないですよね。折角の自分へのご褒美時間をより楽しく過ごすためにも、塩味と程よい固さの枝豆を食べたいものです。枝豆を塩茹でする際のポイントをしっかりと行うことで、鮮やかなグリーンと甘みのある美味しい枝豆を楽しめますよ。
【記事監修】野菜ソムリエ:大塚 由布子
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