料理にもおすすめ! 栄養たっぷりの缶詰
皆さんは普段、お料理にどのような缶詰を使用していますか? 近年、長期保存が可能で栄養価の高い缶詰に注目が集まっています。今回は、管理栄養士であるわたしがオススメする使える缶詰5選と、それらを使って簡単に作れるお料理をご紹介します。
缶詰は腐らない? 賞味期限はあるの?
缶詰は保存食の代表というイメージですが、実際130年前のイギリスで作られた牛肉や野菜の缶詰が十分に食べられたという事実があるそうです。このように長期間の保存が可能な缶詰ですが、保存中の温度などによって、色や香り、味が徐々に変化してくるのは避けられません。
このような品質が保持できる期間、いわゆる賞味期限は、大体各メーカーとも3年程度に設定しています。魚類の缶詰は、製造後1年くらい経過したほうが味のバランスが良いとされています。すぐ食べる場合は、賞味期限が近いものを選ぶのも良いでしょう。
湯煎の方法、時間
缶詰には、焼鳥やかば焼きなど調理済みのものもたくさんあり、最近ではお酒のおつまみとしても人気です。レンジや鍋に移し換えて温める方法もありますが、缶詰の美味しさを存分に引き出すには湯煎がおすすめです。小さめのフライパンにお湯(湯の量は缶の高さの半分くらい)を沸かし、缶詰のふたを少し開けて沸騰した湯につけます。お湯が静かに沸いている状態で5分ほど火にかけて温めます。缶詰のふたを開けずに加熱し続けると、缶が破裂する恐れがあるので絶対にやめましょう。
管理栄養士が選ぶオススメの缶詰
今回は、栄養的にはもちろん、手頃で、料理にも使いやすいおすすめの缶詰を5種類紹介します。缶詰は、基本的に生の素材を缶に入れて、加熱殺菌をしています。ですから、栄養分やうまみが流出せずに缶に閉じ込められているので、料理に使うときには汁ごと利用してみてください(但し、カロリー制限や塩分制限のある方は缶詰の栄養表示を確認してください)。
ツナ水煮
ツナ缶は、一番身近でおうちに常備されている方も多いと思います。その中でも水煮は、低カロリー・高たんぱくで、ビタミンB群、カルシウムも多く含まれてるので、ダイエット中の方にオススメです。あっさりしているので、どんな料理にも合わせやすいのも良いですね。
サバ
サバに多く含まれる不飽和脂肪酸のDHAは脳を活性化させ、同じくEPAは血液をさらさらにする効果があります。缶詰は加熱殺菌処理をしますが、両者とも熱によって壊れることがないので、含有量は、生と缶詰で殆ど差が見られません。また、カルシウムも吸収されやすい形で多く含んでいます。
サケ水煮
サケの赤い色は、高い抗酸化作用を持つアスタキサンチンと呼ばれる色素に由来しています。体内における活性酸素の除去や、特に脳や目に吸収されることで目疲れに良いほか、紫外線による肌ダメージを軽減する効果があるといわれています。
ホールトマト
トマトの健康効果は広く知られていますが、缶詰のトマトでもその効果を十分に得ることが出来ます。トマトには整腸作用のあるペクチン、高血圧に有効なカリウム、そして強い抗酸化作用を持つリコピンが含まれます。また、缶詰に利用される加熱用トマトは、うま味の素となるグルタミン酸の量が野菜の中でもトップクラス。煮込み料理にはぴったりです。
大豆
大豆はたんぱく質や食物繊維、カルシウムなどが豊富に含まれています。また、総コレステロールの減少に役立つ大豆サポニン、抗酸化作用を持つ大豆レシチンのほか、更年期症状の改善に良いとされる大豆イソフラボンも含まれています。乾燥した大豆を料理に使う場合は戻すのに手間がかかりますが、缶詰なら開けてすぐに食べられます。
缶詰を使ったオススメ料理
◆キャベツの蒸し煮
ざく切りにしたキャベツとツナ水煮(サバ、サケでもOK)、千切り生姜、少量のお酒を鍋に入れます。蓋をして、キャベツが柔らかくなるまで弱火にかけます。ポン酢をかけていただきます。白菜でも同じように作れます。味付け缶詰で作れば、調味料いらずです。
◆トマトのみそ汁
だし汁とホールトマト(汁ごと・トマトはつぶす)同量を鍋にいれ、好みの具材を加えて柔らかくなるまで火にかけます。味噌を入れて味を調え、器によそい、仕上げにオリーブオイルを少量かけて出来上がり。冷やしても美味しくいただけます。
◆大豆と玉ねぎのマリネ
大豆(水煮の場合は汁は除く)と薄切りにした玉ねぎを市販のマリネ液に漬けます。マリネ液に少量のカレー粉やウスターソースを加えるのもおすすめです。
まとめ
長期保存が出来て、価格も安定している缶詰は、栄養的にも優れた食材です。生の魚や乾燥大豆など、からだに良いことはわかっても調理の手間を考えて敬遠しがちですが、缶詰ならふたを開けてすぐに使えます。気に入った缶詰をストックして、手軽に缶詰料理をつくりましょう。
【記事監修】管理栄養士:M.Tochishita
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