「寝つきが悪い」働き盛りが増加!? 原因と改善策
3月18日は、世界睡眠デーです。日本はこれに加えて9月3日に秋の睡眠の日もあります。企業での仮眠、自分に合う寝具など「睡眠」への関心が高まっている中、「寝つきが悪い」働き盛り世代が増加傾向にあるといいます。その背景や原因、寝つきを良くする改善策をみてみましょう。
「寝つきが悪い」と不眠症の違い
不眠症「入眠障害」とは
- 寝付くのに普段より2時間以上かかる日が週2回以上あり、少なくとも1カ月間は続くこと。
- 自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。
上記2点を満たすことが必要だと日本睡眠学会は定義しています。
上記のような不眠症には当てはまらない、翌日の仕事のために眠りたい、そう思っているのに寝付きが良くならないのはなぜでしょうか。働き盛りや若い世代で寝つきが悪い症状を訴える人が増えている背景には、ITの発達で場所や昼夜を問わず仕事をする、コンビニやLED照明など夜間の光環境、スマホやPC等の利用頻度の増加といった「24時間社会になったことによる生活リズムの乱れ」があると考えられています。そのため、生活リズムの乱れを意識的に整えることで、寝つきの悪さが改善されることがあるといいます。
寝付きの悪さ改善策
1.起床時刻を決めて体内時計のズレをリセット
就寝時刻よりも起床時刻を基準にしましょう。私たちの体には1日周期のリズムを刻む「体内時計」が備わっています。夜寝つきが悪かった翌朝でも起きる時刻は遅らせず、決まった時刻に起きるようにしてみましょう。そして朝の光を浴びることが重要です。健康な成人を対象にした研究において、起床後に太陽の光を浴びて体内時計のリズムがリセットされた後、15~16時間後に眠気が出現することが示されました。できるだけ起床してすぐに光を浴びることで眠気が出現する時刻のズレを防ぎましょう。
2.寝る前はリラックスタイムを作る
就寝前にリラックスすることで入眠を促しましょう。習慣化している就寝時刻が近づくと脳はリラックスした状態になっていきます。この脳の変化を妨げないようにし、入眠を促しましょう。毎日一定の行動でリラックスタイムを過ごします。全米睡眠財団はこれを「入眠儀式」としてすすめています。読書、軽いストレッチなど自分がリラックスできる方法を見つけましょう。
3.スマホ、喫煙、カフェイン摂取を就寝前は控える
・スマホ、液晶テレビなどのブルーライトは眠くなるホルモン「セロトニン」の分泌を抑制し、寝つきが悪くなります。寝る1~2時間前は使用をやめましょう。
・タバコのニコチンには覚醒作用があります。喫煙で摂取したニコチンは1時間ほど作用するため、就寝の1時間前や途中で目が覚めた時の喫煙は控えましょう。
・カフェインには覚醒作用があります。摂取してから30分~1時間後に血中でピークになり、半減期は3~5時間といわれます。夕方から就寝前まではカフェインの摂取は控えましょう。
4.穏やかな照明にしてメラトニン分泌を促す
LEDや蛍光灯などの青白い光はメラトニンの分泌を抑制してしまいます。コンビニ、塾、電車などの照明が該当します。家の中の照明は自分で意識して調節しやすいところです。就寝1~2時間前には白熱灯色にしたり、明るさを落としてメラトニンが分泌される環境で過ごしましょう。
5.無理に寝ようとしない
「眠れない」という不安は脳を覚醒させ、更に寝付けない状況になります。そんな時は寝具から一旦出て、読書や温かい飲み物など自分に合ったリラックス法を試してみましょう。そのまま寝具に入り続けていると、脳は寝具に入る状態を不快であるとインプットし、不眠進行の原因になりかねません。
まとめ
以上に挙げた就寝前の行動や起床時刻などを日誌にしてチェックしてみましょう。可視化できるようにすることで、寝つきが悪い原因や自分に合う睡眠習慣が分かるようになります。また、生活習慣の改善では解決できないと感じたら早めに専門家の診断を受けましょう。
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