マグネシウムの効果:マグネシウムの摂取でメタボや2型糖尿病の予防・管理をしよう
2型糖尿病は世界中で見られる一般的な健康問題で、高齢者の間でも増加傾向にあります。糖尿病を適切に管理するには、適切な血糖値、血液脂質、血圧レベルを維持することが大切です。高齢患者は、栄養計画やエクササイズプログラムに従い体重管理をすることで適切な代謝管理をすることができます。栄養面では、マグネシウムの摂取が糖尿病の予防と管理の為にもっとも重要で、マグネシウムの濃度が低いと、代謝異常を引き起こすと言われています。
マグネシウムが欠乏するとどうなるの?
マグネシウムは、糖尿病、高血圧、インスリン抵抗性、脂質異常などの慢性疾患と関係しています。マグネシウムが不足すると、効率的なエネルギー代謝、正常な血糖値、インスリン抵抗性を維持できなくなることや、身体的な活動ができなくなるなどの影響が出てきます。その結果、メタボリックシンドロームや2型糖尿病になる危険性があると言われています。そして、血しょう中のトリグリセリド、腹部の肥満、たんぱく尿と低いHDLコレステロールは、糖尿病患者の低マグネシウム血症と関係があると言われています。低マグネシウム血症とは通常1.7–2.2 mg/dLである血清マグネシウム濃度が 1.7 mg/dL (0.7 mmol/L)より低い状態である病気です。筋力低下、震え、眼振、発作、知覚異常などの症状が出ることがあります。また、マグネシウムの欠乏は鬱病の発症にも関係していると言われています。
高齢の糖尿病患者のマグネシウム摂取と代謝の関係
台湾で行われた研究では、65歳以上の2型糖尿病患者210人の生活スタイルと1日の食事が調査され、DSM-IVに基づく鬱症状の評価と、血圧、血液、尿の検査を実施しました。また、マグネシウム摂取と、栄養、代謝、身体的活動との関係について調査を行いました。
調査の結果、88.6%の患者は、食品摂取基準よりマグネシウムの摂取量が低く、37.1%に低マグネシウム血症が見られることが分かりました。
マグネシウム摂取量が多い人と少ない人の栄養、代謝、身体的活動の特徴
マグネシウムの摂取量が多い人 | マグネシウムの摂取量が少ない人 |
・ エネルギーの高い食事が多い
・ プロテインの摂取が多い ・ 身体的活動が多い ・ 鬱の症状が少ない ・ 高密度リポタンパク質が多い ・ 体脂肪率・肥満指数が低い |
・ エネルギーの低い食事が多い
・ プロテインの摂取が少ない ・ 身体的活動が少ない ・ 鬱の症状が多い ・ 高密度リポタンパク質が少ない ・ 体脂肪率・肥満指数が高い |
マグネシウム摂取が多い人と少ない人を比較すると上記のような特徴が見られました。少ない高密度リポタンパク質、高い体脂肪率や肥満指数(BMI)のようなメタボリックシンドロームの症状がある人はマグネシウム摂取量が少ないことが分かりました。
低マグネシウム血症の人の割合は、身体的活動が少ない、普通、多い人それぞれ27%、31%、49%であることが分かりました。身体的活動が多い人の血清マグネシウム濃度が著しく低い原因として、運動により汗や尿と一緒にマグネシウムがたくさん排出されてしまう可能性が考えられます。このことから身体的活動が多い人は、適切な量のマグネシウムを摂取しないと低マグネシウム血症になる可能性が高く、食事やサプリメントで十分なマグネシウムを摂取することが必要です。
マグネシウム摂取量と代謝指標
マグネシウム平均摂取量(mg/kg) | 1.8(52人) | 2.8(53人) | 3.7(52人) | 5.8(53人) |
HDLコレステロール(mg/dL) | 45.3 | 44.4 | 47.5 | 50.6 |
トリグリセリド(mg/dL) | 113.0 | 113.5 | 106.4 | 92.0 |
腹囲(cm) | 95.6 | 92.9 | 91.0 | 88.8 |
体脂肪率(%) | 33.0 | 29.4 | 28.8 | 24.5 |
肥満指数(BMI)(kg/㎡) | 27.2 | 25.3 | 25.1 | 23.6 |
動脈硬化を防ぐ効果があるHDLコレステロールは、マグネシウムの摂取が多いほど高く、腹囲、体脂肪率、肥満指数(BMI)は、マグネシウムの摂取量が多い人ほど低いことが分かりました。
まとめ
高齢者の2型糖尿病患者の殆どはマグネシウムの摂取量が少なく、代謝異常やうつ病を悪化させる可能性があります。普段の食事やサプリメントでマグネシウムを摂取し、代謝管理を行いましょう。
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