オーツ(オートミール)はグルテンフリー?②
前回の記事で、健康食品として人気のオーツ(オートミール)を食べる際の注意点についてお話ししました。オーツはグルテンフリー食品のため、グルテンを摂取することで消化管を痛める可能性のある、セリアック病患者に適した食品ですが、加工工程でグルテンが混ざってしまったり、オーツに含まれるグルテンに似たタンパク質に体が反応してしまうなどの、注意点がありました。
オーツを食べるメリット
北アメリカ・セリアック病研究協会は、食事にオーツを加える前に、抗組織トランスグルタミナーゼという抗体の値に目を向け、体がどのように変化するか観察することを勧めています。
これによって、オーツを食べることで生まれた変化が明確になるということです。
オーツを食生活に取り入れるためには、まず少量から始め、何か症状があった場合は記録することが推奨されています。
もし、何も症状がなく、血中の抗体の値も安定している場合、オーツを食べ続けても大丈夫でしょう。
オーツの栄養素
オーツは、グルテンフリーの食材にはなかなか含まれていない栄養素が豊富です。
- オーツは全粒穀物で、全粒穀物は心臓病のリスク軽減に大きく関わっているとされ、発作が発生する可能性を低くします。
- 食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は便秘を改善することで、お腹や腸の健康を守ります。また他にも、食物繊維は満腹感をもたらし、食べ過ぎを防止します。食べる量を減らすことにより、肥満や肥満によって生じる病気のリスクを軽減します。また食物繊維は血糖値を低下を助けるため、グルテン耐性のある人で糖尿病をわずらわっている人には最適です。
- オーツには複数の栄養素が含まれています。一日に必要な量とされている191%のマンガン、41%のリン酸、34%のマグネシウム、24%の銅、20%の亜鉛を含んでいます。また妊娠中の女性が赤ちゃんの健康を守るために、摂取することを勧められている、葉酸も一日の目安とされる量の11%を含んでいます。
- 抗酸化物質が豊富です。オーツはアベナンスラミドと呼ばれる抗酸化物質のグループを含み、この成分はほぼオーツにしか含まれていません。アベナンスラミドは体内の一酸化炭素の生成を促すことにより、血糖値を下げる働きをします。
- コレステロール値を低下させます。心臓病の原因ともされている悪玉コレステロール、LDLコレステロールの減少をサポートします。
グルテンに敏感、でもセリアック病とは診断されない場合
パレオダイエットなどのいくつかの食事法はオートミールの摂取を推奨していません。
そして、オートミールにアレルギーや耐性がない人にとって、オートミールが危険という根拠はありません。
しかし、グルテンにアレルギーがあるが、セリアック病ではないとされる人はオーツを食べる際に注意が必要です。
このような場合、お腹の消化不良はグルテンによってひき起こされるのではなく、FODMAPと呼ばれる食品群の食品によって引き起こされているかもしれないからです。
FODMAPは数種の炭水化物が対象で、ラクトースやフルラクトースなど消化されにくい成分や食品を含んでいます。
多くのグルテンを含む食品もFODMAPに入っていますが、グルテンはタンパク質、FODMAPは炭水化物のため、認識が異なります。
しかし、オーツは種類によってFODMAPのレベルが異なるため、FODMAPに敏感な体質の人はオーツを食べる際に医師に相談することをお勧めします。
まとめ
前回の記事で、グルテンフリーの食事が必要なセリアック病と、グルテンフリーの食材であるオーツについて着目し、オーツを食べる際の注意点についてお話ししましたが、今回はオーツを食べるメリットについてお話ししました。
オーツにはアベナンスラミドというオーツにしか含まれていない成分や、様々な病気の予防に関わる栄養素を豊富に含んでいますので、グルテンフリーダイエットをする上で、優れた食品といえます。
しかし、グルテンに敏感であるものの、セリアック病じゃない場合などは、オーツに含まれる炭水化物(FODMAP)が消化の妨げになってしまうこともありますので、参考にしてみてください。
Are oats gluten-free? Know the facts
この記事は抄訳です。
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