オクラ水の健康効果と作り方
独特のネバネバが魅力の「オクラ」は、カットすると星型になる可愛らしい野菜。そんなオクラが持つネバネバには、とんでもないパワーがあることをご存知でしょうか。今回は、オクラのネバネバの正体や、今話題の健康法「オクラ水」の作り方やその効果などをご紹介します。
「オクラ」は英名、日本名は「アメリカネリ」
6月~9月に多く出回るオクラは、夏野菜のひとつ。炒めたり、茹でたり、揚げたりとどんな調理法でも楽しめるオクラですが、少し変わった名前。
実は、オクラという名前は「Okra」、つまり英語名なのです。幕末時代にアメリカから伝わったため、現地で使われていた「オクラ」がそのまま使われるようになりました。
日本では「アメリカ」から来た「ネリ(トロロアオイ)」(オクラに似た植物)で、「アメリカネリ」という名前がついています。また、その他にも「オカレンコン」や見た目の青さとネバネバから「青納豆」とも呼ばれています。
ネバネバの正体とその効果とは
オクラは、手のひらに乗るくらいの小さな野菜ですが、「食物繊維」や「βカロテン」「カリウム」や「カルシウム」を豊富に含んでいます。
オクラの特徴とも言えるネバネバとした粘りこそが、私たちの身体を健康にしてくれます。このネバネバの正体は、「ペクチン」と呼ばれる食物繊維の一種。オクラが健康野菜とされるようになったのも、このペクチンの効果と言えるでしょう。
ペクチンの働きは様々ですが、私たちにどのような効果をもたらしてくれるのか探ってみましょう。
■コレステロールの吸収を防いで血圧を下げる効果
オクラに含まれる「ペクチン」には、コレステロール値を下げる働きがあります。血液中のコレステロール値が下がると血流が良くなり、血圧の降下や、動脈硬化の予防につながります。
しかし、ペクチンは水に溶けるタイプの食物繊維なので、長く水やお湯に浸してしまうと栄養素が失われてしまうので調理の際は注意が必要です。
■夏バテ予防や疲労回復効果
「ペクチン」には腸内環境を整えてくれる働きがあり、食べ物に含まれる栄養素を吸収しやすくしてくれます。ヒトの身体には欠かせないたんぱく質の吸収力を上げ、スタミナを強化してくれので、夏バテや疲労回復に役立ちます。
またオクラは、免疫力を高める「βカロテン」や「ビタミンC」も含んでいます。ペクチンとの相乗効果で強い身体作りをサポートしてくれますよ。
■腸の働きを整える効果
「ペクチン」には、腸の働きを整えて便秘や下痢を解消してくれる効果があります。カロリーが高く脂質の多い食べ物ばかり食べていると、悪玉菌が増え、腸内バランスが悪くなり、便秘や下痢に悩まされたり、太りやすい体質になったりします。
ペクチンは、善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を整えてくれます。オクラを食べて腸内フローラを改善し、栄養素を吸収しやすい身体を目指しましょう。
話題の健康法「オクラ水」って何?
美意識の高い方や健康志向の方から注目になった、フルーツやハーブを水に浸す「デトックスウォーター」をご存知でしょうか。これと同様に、オクラを一晩水に浸す「オクラ水」と言う健康法が最近話題になっています。
オクラ水には、どのような効果があるのか、また、オクラ水の作り方を紹介します。
■血液をサラサラにし高血圧や動脈硬化、アトピーにも効く
オクラを一晩水に浸すと、ネバネバ成分が水に溶け出しドロッとしたとろみが出ます。このとろみは、オクラに含まれる「ペクチン」によるものです。
先にも説明した通り、ペクチンには血中のコレステロール値を下げ、血液をサラサラにしてくれる効果があります。よって、高血圧や動脈硬化予防に良いとされているのですが、オクラ水を飲んだ人の中には、アトピーが良くなったという人や、関節に溜まった水が解消されたという人もいました。
■オクラ水の作り方
オクラに含まれる「ペクチン」は、水に溶け出す食物繊維のため、お湯で長く茹でてしまうと折角の栄養が逃げてしまいます。ペクチンを効果的に摂取する方法こそが、この「オクラ水」です。オクラ水の作り方はとっても簡単なので、血圧の高い方やコレステロール値の高い方、是非一度試してみて下さい。
【材料】(大人1人分)
- 生のオクラ…… 5本
- 水…… 100~180ml
【作り方】
- ① オクラを洗い、ヘタをカットする。
- ② コップにヘタをカットした部分を下にして入れ、オクラが隠れるまで水に浸す。
- ③ ラップをかけ、冷蔵庫で8〜12時間ほど浸したら完成。
農薬などが心配な方は、オクラを30分ほど水に浸し、よく洗ってからヘタをカットして下さい。
毎日飲み続けると味に飽きてしまうので、はちみつやショウガを入れても良いです。まずは1日1杯飲み続けて効果を確認してみて下さい。
オクラのネバネバを生かして美味しく食べる方法
ネバネバが魅力のオクラですが、ネバネバに含まれる栄養素を効果的に取ることで私たちの身体に嬉しい効果をもたらしてくれます。
ネバネバを生かしたオクラのレシピや、オクラ水で余ったオクラを消費するためのレシピも紹介します。
■オクラとネバネバ素材の健康丼
【材料】(2人分)
- オクラ…… 5〜6本
- 納豆 ……1パック
- 長芋 ……200g
- めかぶ…… 2パック
- たくあん…… 20g
- 温泉たまご ……2個
- すりごま…… 適量
- 刺身醤油 ……適量
- わさび ……適量
- ご飯 ……2膳分
【作り方】
- ① オクラをよく洗い沸騰したお湯に1分さっと茹でて冷水にさっと浸す。長芋はすり、たくあんは細かくカットする。納豆はよく混ぜておく。
- ② 水気を切ったオクラを、輪切りにカットする。
- ③ ご飯の上に、カットしたオクラ、たくあん、納豆とすりおろした長芋、めかぶを入れる。
- ④ 真ん中に温泉卵を置き、すりごまを振る。
- ⑤ 刺身醤油とわさびを混ぜて、全体に掛け入れたら完成。
ネバネバ素材とオクラのネバネバが良く合い、たくあんが歯ごたえをプラスしてくれます。簡単にできるので、夏バテや疲労が溜まった時にこそ食べて欲しいレシピです。
■オクラと春雨の中華風卵スープ
【材料】(2人分)
- オクラ…… 5〜6本(オクラ水で使用したもの)
- 春雨…… 10g
- ミニトマト…… 4個
- 椎茸 ……2個
- 卵 ……1個
- 生姜チューブ ……5cm
- 鶏ガラスープ ……小さじ1と1/2
- 水…… 300ml
- ごま油 ……大さじ1
【作り方】
- ① オクラ水で水に浸しておいたオクラの水気を軽く切り、輪切りにカット。ミニトマトを半分にカットし、椎茸は細切りにする。卵は溶いておく。
- ② お鍋にごま油と生姜チューブを入れ、香りが出たら水を入れる。椎茸を入れ、沸騰したらトマト、春雨、オクラを入れる。さらに鶏ガラスープを入れ弱火にする。
- ③ 溶き卵を入れて、卵がふんわりとしたら完成。
オクラ水で使ったオクラを利用するレシピです。スープにすると、溶けたペクチンをそのまま摂取することが出来ますよ。
オクラの種でコーヒーが作れる?
完熟させたオクラの種を使った「オクラコーヒー」をご存知ですか? コーヒーと言ってもカフェインが含まれたコーヒー豆とは異なり、たんぽぽの根を原料としたたんぽぽコーヒーに近いものです。
物資が不足した第二次世界大戦中に、コーヒー豆の代わりにオクラの種が使われていたとも言われています。ノンカフェインなので身体にも良く簡単に作れるので、どんな味か気になる方は一度作ってみませんか。
■オクラコーヒーの作り方
- ① オクラから完熟した種を取り出す。
- ② フライパンで種をよく煎る。
- ③ コーヒーミルで焙煎した種を粉状にする。
- ④ フィルターをセットしお湯を注ぐ。
フライパンで種を煎る際は、弾け飛ぶ場合があるのでしっかり蓋をして下さいね。実際に飲んだ人の感想では、見た目はコーヒーのように茶色く、味はコーヒーというよりはお茶に近いそうです。
まとめ
梅雨が明けてこれから暑い夏の時期がやってきます。オクラもこの時期が旬ですので、美味しいオクラを食べて夏バテ予防をしましょう。
調理するのは面倒だという人には、オクラ水がおすすめです。オクラの栄養素をたっぷりと含んだお水を飲むだけで疲労回復や血液の疾患を防いでくれますよ。
【記事監修】野菜ソムリエ:大塚 由布子
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