梅と蜂蜜で夏のさっぱりレシピ
初夏から出回り始める「梅」は、夏バテや食中毒を予防する強い味方だということをご存知でしょうか? 今回は梅と蜂蜜(はちみつ)を使って、夏の暑さを乗り切るためのさっぱりしたレシピをお届けします。
梅と蜂蜜で夏バテ予防と食中毒対策
梅と蜂蜜は、疲労回復効果による夏バテ防止と食中毒を予防する強い殺菌力を持ち合わせているため、ダブルで使うことでより効果が高まります。
成分と効果
●梅のクエン酸の効果
梅に含まれる「クエン酸」とは、有機酸(生物の生命活動において産出される酸)の一つで、酸味成分として主に柑橘類などに含まれています。梅はこのクエン酸をレモンよりも多く含んでいます。
人間が生きていくための原動力となるエネルギーは、ご飯などに含まれるデンプンが唾液などによって分解されてできるブドウ糖が燃焼することで発生します。この燃焼が不完全だと毒性のある酸化物が発生し、体が酸性に傾きます。
クエン酸はブドウ糖の燃焼を助け、酸化物を発生しにくくします。この酸化物の中には疲労物質である乳酸が含まれており、疲れたときにクエン酸がいいと言われるのはこのためで、「腐敗細菌」のほか、「O-157」など食中毒の原因となる細菌などを抑制する殺菌作用があります。
●蜂蜜の効果
蜂蜜は、「果糖」や「ブドウ糖」が主成分であるため消化吸収が良く、短時間で疲労回復効果を発揮します。また、口内炎の症状を和らげる強い殺菌力もあります。
梅と蜂蜜を使ったレシピ
★基本の青梅の蜂蜜漬け
■材料
- 青梅……500g
- 蜂蜜 ……500g
■作り方
- ① 梅は青く新鮮な固い実を選ぶ
- ② 流水で洗い、水気を十分きり、爪楊枝で梅のヘタを丁寧にとる
- ③ 梅のエキスが出やすいように、実に10か所ほど穴をあける
- ④ きれいな瓶に③の梅と蜂蜜を入れてしっかり蓋をしめる
- ⑤ 1日1~2回瓶をひっくり返して、梅と蜂蜜が混ざるようにする
- ⑥ 約1ヶ月ほどで飲むことができる
■ポイント
長く置いておくほど味が良くなります。基本の青梅の蜂蜜漬けを作って置くと、水や炭酸、豆乳と割って飲むことができます。
砂糖でなく蜂蜜の甘味のため、体に優しくビタミンやミネラルの補給にもなり、大量の汗をかく夏場に常備しておくと良いでしょう。お子様にも安心して飲ませることができます。
★梅入り飲むヨーグルト(2人分)
■材料
- 青梅の蜂蜜漬けの青梅……2粒
- プレーンヨーグルト……1カップ
- 青梅の蜂蜜漬けのシロップ……120ml
- 牛乳……1/2カップ
■作り方
青梅の種を取り除き、他の材料と一緒にミキサーに入れて撹拌し、グラスに注ぐ。
■ポイント
ヨーグルトは発酵しているため、消化吸収がスピーディーに行われ、胃腸にかかる負担を減らします。またヨーグルトに含まれる酸味が食欲減退を予防します。
★蜂蜜梅の黒酢ドリンク(2人分)
■材料
- 青梅の蜂蜜漬けのシロップ……大さじ5
- 黒酢……大さじ2
- 炭酸水……1と1/2カップ
- 氷……3個
- ミント
■作り方
グラスにシロップと黒酢、冷えた炭酸水を注ぎ、氷を浮かべてミントを飾れば完成。
■ポイント
疲労回復や体力増進に作用するクエン酸と、脂肪の分解を促進する酢酸が豊富な酢を用いています。
黒酢と青梅の蜂蜜漬けをミックスさせることで、より効果的に疲労回復効果が望めます。
★梅の西京焼き(3人分)
■材料
- 好みの魚……3切れ
【 調味料 】
- 味噌……大さじ3
- 料理酒……大さじ3
- 蜂蜜……大さじ4
- 梅干し……大1個
- オリーブオイル……小さじ1
■作り方
- ① 梅干しは種を除き、細かく刻む
- ② ボウルに調味料を全て入れ混ぜ、魚を漬け込む。30分~1時間冷蔵庫に入れておく
- ③ フライパンにオリーブオイルをしいて、両面焼けたら完成
■ポイント
今回は魚を使いましたが、鶏肉で作ってもおいしく食べられます。
暑い夏は食欲が減退しやすく、のど越しの良い麺類を食べがちですが、肉や魚、卵、大豆・大豆製品のたんぱく質を意識して食べましょう。
たんぱく質は筋肉や血液といった体そのものを作るため欠かせません。
たんぱく質が不足すると、免疫力が低下し疲れやすくなったり、風邪をひきやすいといった症状を引き起こします。
※蜂蜜を使うときの注意点
蜂蜜には、まれにボツリヌス菌の混入があります。
1歳未満の乳児は腸が未発達なために乳児ボツリヌス症を発症する危険性があります。そのため1歳未満の乳児には絶対に蜂蜜を食べさせないで下さい。
まとめ
今回は夏に食しやすい、さっぱりしたメニューをご紹介しましたが、梅と蜂蜜を使えばレシピは無限大に広がります。食中毒予防のためにも、梅や蜂蜜を積極的に飲み物やお料理に入れて、今年こそは夏バテしない、疲れ知らずな体を目指しましょう。
【執筆】管理栄養士:浦西 小百合
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