疲労回復とボディメイク
私がパーソナルトレーニングをしているなかで、クライアント様の全員が全員、問題なく結果が出せるか、というとそうとも限りません。なぜでしょうか? 今回はボディメイクやダイエットの成功と関係が深い「疲労回復」についてお話します。『疲労回復シリーズ①』
ボディメイクやダイエットには疲労回復が重要
始めた当初は「身体を変える!」という決意をしたのに、
- トレーニングが続かない方
- 正しい食習慣を知っても食欲に負けて帰りのコンビニでスナックを買ってしまう方
このようなクライアント様の様子を見て、ある共通点に気がつきました。
トレーニングが続けられない、食欲が抑えられない、と聞くと「意思が弱いから」と評価をしがちですし、大抵の場合はご本人さえもそう思っています。ですが、やると決めたのに続かない理由のほとんどは意思の弱さではありません。
ボディメイクやダイエットを続けられなかった多くの方は「疲労」してしまっているのです。
疲労とボディメイクの関係
仕事や育児で疲れていてもトレーニングを継続できるという方は、アスリートのようにトレーニングが生活の一部になっている方や、一流のアスリートを夢見ている方くらいではないでしょうか。
大抵の場合はトレーニングの他に生活の糧となる仕事があり、トレーニングの優先順位はそれよりも下になるでしょう。仕事や育児などの本業でクタクタになっているのにさらに身体を追い込んだり、トレーニングのしすぎで疲労困憊してしまっては私生活に影響が出てしまいます。
疲労感で身体が求める以上に食欲が沸いてしまったり、トレーニングをやるだけのエネルギーがなくなってしまわないよう、まずは疲労回復に意識を配ることは非常に有効なボディメイク戦略であるといえます。
「疲労」をとるためにできること
疲労と一口に言ってもその原因は様々です。
- 筋肉に乳酸などの疲労物質が溜まって起きる身体的な疲労。
- 種々のストレスによって正常な神経伝達に支障をきたす精神的な疲労。
これらのうちどちらか一方だけが原因になっていることは実はあまりなく、相互の因子が複雑に関係して疲労を感じている場合が多いのです。
では原因がはっきりとしない「疲労」に対して私たちはどのように対処していけば良いのでしょうか。
・ウォーミングアップ
トレーニングを行う前にウォーミングアップをしっかりと行っているでしょうか。
ウォーミングアップは「心拍数・筋温」を上昇させ、身体を活動に適した状態にすることができます。これはトレーニング以外にも言えることで、仕事前など一日の始まりに心拍数を上げるようなウォーミングアップを毎日ルーティンに加えることで仕事のパフォーマンスやメンタルタフネス向上にも役立つのです。
逆にウォーミングアップを行わないと、良いパフォーマンスを発揮できないばかりか怪我をしやすくなったり、すぐに息が上がって疲れてしまうのです。
・クールダウン
トレーニングを終えてすぐに動くのをやめると、運動で上がっていた呼吸が落ち着き心拍数も下がるため、意識をしないとクールダウンの手を抜きがちです。しかし、強度の高い運動を終えてすぐに動くのをやめてしまうと、心拍数が下がるために血流が悪くなり、筋肉に蓄積した疲労物質が除去されません。
トレーニングなど疲労物質がたまる運動を終えた後に、適切なクールダウンを行うことによって、前述の疲労物質の除去がスムーズに行われ、疲労をいち早く取り除くことができます。同時に、集中をして高ぶった交感神経を副交感神経優位に切り替えることができ、それによっても血流の改善、リラックス効果が期待できるのです。
私生活でのウォーミングアップ同様、トレーニング以外の生活の中でのクールダウンも意識するべきでしょう。湯船にゆっくりと浸かることや夜寝る前のストレッチやヨガを意識的に取り入れることで、疲れを溜めないことが健康的なライフスタイルの鍵になります。
まとめ
トレーニングは気力と体力を消耗します。私生活での回復が追いついていないのにトレーニングで身体を追い込んだり、前後のケアを怠ってしまっては、疲労は溜まるいっぽうです。もっと回復を意識してトレーニングライフを送ると、身体づくりも仕事もうまくいくかもしれませんね!
【執筆】薬剤師(パーソナルトレーナー):安野 勇太
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