SOD酵素の効果、SOD酵素を増やす方法①

私たちの体は、様々な働きを持つ酵素に守られています。また細胞を攻撃し、病気や老化の原因となるフリーラジカルを倒す、重要な効果を持つのが抗酸化物質です。そして抗酸化物質の中でももっとも強力なのが、SOD酵素と呼ばれる物質であります。今回はこの、SOD酵素を増やすにはどうしたら良いのかその方法を調べ、2回(前編・後編)に分けてまとめてみました。
老化とフリーラジカルの関係

私たちが通常考える「老化」は、実は病気の状態が体に慢性化している状態であると、過去数年間、科学者達は明確に理解してきました。加齢による病気の典型は、
糖尿病、心血管病、
骨粗鬆症、そして関節炎などがあります。そして、これらの病気は
、細胞に損傷を与え細胞に老化を引き起こす、
フリーラジカルが増加することにより生じるともされています。
そして、以前の記事にも幾度とお話しした「
抗酸化物質」は、この
フリーラジカルによる損傷から体を守り、
フリーラジカルと戦う物質であります。この抗酸化物質は、老化を大幅に遅らせ、加齢によって生じる数々の病気を予防します。では、体を健康に守るために重要なこの抗酸化物質を、体内に増やすためにはどうしたら良いのでしょうか?今回は、抗酸化物質の中でもっとも強力な
抗酸化物質の一つである、
スーパーオキシドディスムターゼ=SOD酵素を、
自然な方法でSOD酵素の体内生産量を促進する方法をご紹介します。
SOD酵素:もっとも強力な抗酸化物質

SOD酵素は、今から50年近く前の1968年に、アメリカの生化学者アーウィン・フリドービック氏と彼の研究チームによって発見されました。SOD酵素は当時、カタラーゼ、そしてグルタチオンペルオキシダーゼの次に、体内生成されるもっとも
強力な酵素の一つとして研究が行われていました。この強力な酵素は、SOD1遺伝子と呼ばれる数種のSODを作り出す遺伝子によって作られ、そのうちの1つには銅、マグネシウムまたは亜鉛が配位されています。そして、全てのSODのタイプの最も優先的な働きは
大きな損傷を与えるフリーラジカル「スーパーオキシド」と戦うことであります。
フリーラジカルを倒すSOD酵素
スーパーオキシドは、体がエネルギーを生産する際に、細胞の代謝の副産物として細胞によって生成されます。この過程で細胞は同時に、大きな損傷を与える
フリーラジカルである、過酸化水素やヒドロキシルラジカルもまた作り出されます。この2種のフリーラジカルに対する反応で、これらの
フリーラジカルを倒すために体はSOD細胞を作り出します。
低下するSOD酵素と低下しない毒素
体はディスミューテーション(dismutation)と呼ばれる過程を通して、体に危害を加える危険な「酸化」ラジカル、スーパーオキシド(超酸化物)や過酸化物を破壊します。この、ディスミューテーションにより破壊されたフリーラジカルは、細胞に損傷を与えることが出来なくなります。しかし年齢を重ねるとともに、体内で生成される抗酸化物質の生産量が自然に低下します。一方で、私たちの体に晒される毒素の量は低下しないのが問題です。
では、加齢により体内の抗酸化物質が低下すると何が起きるのでしょうか。体内の細胞がスーパーオキシドにより過剰な反応を生じているにも関わらず、体内にはそれらのスーパーオキシドをやっつける抗酸化物質が十分に存在しない場合、ダメージを与えるフリーラジカルは勢力を増します。結果として、細胞の老化が進み、細胞の寿命も短くなります。また、その弱まった細胞の代役となる細胞も、再生されるごとに弱く弱くなってゆき、最終的には深刻な病気が細胞を襲っても対抗出来るほどの強さを持たなくなります。
まとめ
抗酸化物質は様々な病気の予防に効果があるとされ、注目されている成分です。私たちの身近な食品にも、ブルーベリーやぶどう、そしてビタミンEの豊富な食品には抗酸化物質が含まれています。この、体を守る成分である抗酸化物質の中でも、もっとも強力なものが「スーパーオキシドディスムターゼ/SOD酵素」です。今回はSOD酵素が体内でどのように影響するのかに注目しました。次回は、SOD酵素を増やす方法をご紹介します。
SOD: Do You Know About This Powerful Antioxidant?
By Dr. Mark Rosenberg
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