子宮内膜症に良い栄養素やサプリメント②
最近増加している子宮内膜症は、激しい生理痛や生理不順、性交時の痛みから、不妊になる可能性があるので、早期の発見や予防が必要だとされています。今回は、子宮内膜症に良い栄養素やサプリメントについてお話します。
子宮内膜症に良い栄養素やサプリメント②
子宮内膜症予防にはフルーツ、野菜、全粒粉が大切
フルーツ、野菜、全粒粉にはビタミン、ミネラル、繊維が豊富に含まれているので、健康維持には必須の栄養素ですが、子宮内膜症の方にとっても有効です。フルーツ、野菜、全粒粉に含まれる食物繊維には、体内のホルモンを調整する働きがあります。子宮内膜症を発生させる女性ホルモンのエストロゲンの過剰分泌を抑える働きがあるので、子宮内膜症の予防にも効果的です。
フルーツ、野菜、全粒粉には、抗酸化物質も豊富なので、子宮の細胞が他の組織や細胞で炎症を起こすのを抑えることもできます。
Mier-Cabrera et al. (2009) の研究では、子宮内膜症の女性に抗炎症効果の高い野菜と果物を4ヶ月間摂ってもらったところ、酸化ストレスマーカーが減少しました。これは細胞や組織が酸化して炎症を起こすことを防ぐことがきることを示唆します。
Santanam et al. (2013) の研究では、抗炎症効果のあるサプリメントを子宮内膜症の女性に摂ってもらったところ、子宮内膜症の痛みが軽減したという結果も出ています。
Parazzini et al. (2004) の研究では、女性の果物と緑色野菜の摂取と子宮内膜症の因果関係を調査したところ、普段緑黄色野菜をたくさん摂っている人ほど、子宮内膜症の疾病率が低いこともわかりました。
しかし、野菜が子宮内膜症のリスクを上げるという報告もありました。Trabert et al. (2011) の研究では、野菜や果物の摂取が子宮内膜症は危険因子を高くするという結果が出ています。その理由としては、果物や野菜に含まれる農薬の影響がエストロゲン様を活性化させ、子宮内膜症に影響したのではないかと考えられます。一部の農薬には、女性ホルモンの分泌に関連があることがわかっていて、子宮内膜症もその影響が懸念されます。
このような野菜や果物の摂取の悪影響を指摘する研究は例外的なものなので、一般的には、野菜や果物の有効性を示す研究がほとんどでした。
まとめ
果物、野菜、全粒粉には食物繊維が含まれているので、体内のエストロゲン濃度を低下させるのに役立ちます。また、ビタミン、ミネラルは、抗酸化作用があるので炎症を防ぐことができ、子宮内内膜症予防には大変有効です。
子宮内膜症予防や対策のために、積極的に果物、野菜、全粒粉などを摂り、足りない栄養素はサプリメントで補っていくようにしましょう。
引用文献
Mier-Cabrera, J., Aburto-Soto, T., Burrola-Méndez, S., Jiménez-Zamudio, L., Tolentino, M. C., Casanueva, E., & Hernández-Guerrero, C. (2009). Women with endometriosis improved their peripheral antioxidant markers after the application of a high antioxidant diet. Reproductive Biology and Endocrinology, 7(1), 54.
Santanam, N., Kavtaradze, N., Murphy, A., Dominguez, C., & Parthasarathy, S. (2013). Antioxidant supplementation reduces endometriosis-related pelvic pain in humans. Translational Research, 161(3), 189-195.
Parazzini, F., Chiaffarino, F., Surace, M., Chatenoud, L., Cipriani, S., Chiantera, V., … & Fedele, L. (2004). Selected food intake and risk of endometriosis. Human Reproduction, 19(8), 1755-1759.
Trabert, B., Peters, U., De Roos, A. J., Scholes, D., & Holt, V. L. (2011). Diet and risk of endometriosis in a population-based case–control study. British Journal of Nutrition, 105(3), 459-467.
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